JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(以下「当センター」 という)により採択された「JPドメイン名紛争処理方針」に基づくJPドメイン 名紛争処理手続は、「JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則」(以下 「本規則」という)およびJPドメイン名紛争処理手続を行う紛争処理機関がそ のウェブサイトで公開する補則に従って、実施される。 第1条 定義 本規則においては (a) 「申立人」とは、JPドメイン名紛争処理手続に関する申立を提起した 当事者をいう。 (b) 「当事者」とは、申立人またはJPドメイン名紛争処理手続の申立の対 象となっているドメイン名登録者のことをいう。 (c) 「紛争処理機関」とは、当センターにより認定された紛争処理機関を いう。これら紛争処理機関の一覧は、当センターのウェブサイトで公 開される。 (d) 「パネル」とは、JPドメイン名紛争処理手続の申立を審理・裁定する ために、紛争処理機関により指名された紛争処理パネルをいう。 (e) 「パネリスト」とは、紛争処理機関によりパネルの構成員として指名 された個人をいう。 (f) 「合意裁判管轄」とは、 (1) 東京地方裁判所、または (2) 申立人が、紛争処理機関に申立書を提出したときに、当センタ ーのドメイン名登録原簿に記載されている登録者の住所におけ る管轄裁判所 をいう。 (g) 「登録規則」とは、当センターとドメイン名登録者の間の契約内容を 規定した「属性型(組織種別型)・地域型JPドメイン名登録等に関す る規則」および「汎用JPドメイン名登録等に関する規則」をいう。 (h) 「処理方針」とは、登録規則からの参照により、それと一体になり、 その一部を成している「JPドメイン名紛争処理方針」のことをいう。 (i) 「営業日」とは、紛争処理機関が別途補則で定める営業日をいう。 (j) 「補則」とは、本規則を補完するために、JPドメイン名紛争処理手続 を行う紛争処理機関が採択した規則をいう。この補則は、処理方針ま たは本規則と矛盾する内容のものであってはならず、紛争処理機関は、 この補則において、料金、語数・頁数の制限またはその指針、紛争処 理機関とパネルの連絡方法、および連絡通知文書の表書の様式等を定 めなければならない。 第2条 送付方法 (a) 紛争処理機関が申立書を登録者に送付するときは、合理的に利用可能 な、確実に登録者に通知できる手段を講じなければならない。実際に 申立書が送付されるか、または申立書の送付について次のすべての手 段が講じられたときには、送付がなされたものとみなされる。 (i) 当センターのドメイン名登録原簿に記載されているドメイ ン名登録組織の代表者および登録担当者への郵送およびフ ァクシミリによる申立書の送付 (ii) 電子メール(電子メールによる送付が可能な添付書類を含 む)による次のすべての宛先への申立書の送付 (A) 登録担当者の電子メールアドレス (B) postmaster@<申立の対象となっているドメイン名> (iii) 登録者が紛争処理機関に通知した希望送付先の住所、およ び第3条(b)(v)により申立人が紛争処理機関に提示したす べての送付先への申立書の送付 (b) 前項の場合を除き、本規則に規定されている申立人または登録者への すべての書面連絡は、各当事者が希望する第3条(b)(iii)または第5 条(b)(iii)の手段によるものとし、またはそのような希望がないとき は、次のいずれかの手段によりなされなければならない。 (i) 送付記録があるファクシミリによる送付 (ii) 料金前払であって、受取証の引き換えのある郵送 (iii) 送付記録の利用可能なインターネットによる電子的送付 (c) 当事者から紛争処理機関またはパネルに対する連絡は、補則が定める 手段および方法(書類の送付部数を含む)によりなされなければなら ない。 (d) 連絡は、第11条で定める手続言語でなされなければならない。電子メ ールによる連絡は、テキストファイルによる送付とする。 (e) 当事者は、紛争処理機関および当センターに通知することにより、連 絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所、電子メールアドレス、電話 番号およびファクシミリ番号を含む)を変更することができる。 (f) 本規則に規定されているすべての送付は、本規則の別段の規定または パネルによる別段の決定がある場合を除いて、次のいずれかの日にな されたものとする。 (i) ファクシミリによるときは、送付記録書に記載されている 日 (ii) 郵送によるときは、受取証に記載されている日 (iii) インターネットによるときは、送付記録に示されている日 (ただし、その送付日が証明されているときに限る) (g) 本規則による期間は、本規則に別段の規定がある場合を除き、前項に よって送付されたものとみなされる最も早い日から起算される。 (h) すべての送付の写しは、次のとおり関係者に送付されなければならな い。 (i) パネルからいずれかの当事者に送付するときは、紛争処理 機関および他の当事者へ (ii) 紛争処理機関からいずれかの当事者に送付するときは、他 の当事者へ (iii) 当事者の一方から送付されたものは、必要に応じ、他の当 事者、パネルおよび紛争処理機関へ (i) 送付者は、その送付の事実および状況を記録した書面その他の記憶媒 体を、関係当事者による検査および報告のために保管しておかなけれ ばならない。 第3条 申立書 (a) 登録されているドメイン名について利害関係を有するいかなる個人・ 団体も、処理方針および本規則に従って、当センターの認定を受けて いるいずれかの紛争処理機関に対して申立書を提出することにより、 JPドメイン名紛争処理手続を開始することができる。(紛争処理機関 は、その処理能力またはその他の理由により、申立の受理を停止する ことができる。この場合、当該紛争処理機関は申立の受理を拒絶しな ければならない。拒絶された個人・団体は他の紛争処理機関に申立書 を提出することができる。) (b) 申立書には、以下の事項が記載されるものとし、関係書類を添付した 文書および電子メール(電子メールに添付できない関係書類は除く) の両方によって提出されなければならない。 (i) 処理方針および本規則に従って裁定されることの要請 (ii) 申立人およびこのJPドメイン名紛争処理手続において申立 人に代って手続を行う権限がある代理人の氏名、事務所等 の名称、郵送先住所、電子メールアドレス、電話番号およ びファクシミリ番号 (iii) このJPドメイン名紛争処理手続における申立人への希望連 絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所および電子メール アドレスを含む)を、(A)電子メール送付による場合、お よび(B)郵送による場合、のそれぞれについて (iv) このJPドメイン名紛争処理手続の裁定を下すパネル構成の 人数(一名または三名)および三名構成のパネルを選択し たときには、パネリスト三名のうちの一名を指名するため の候補者三名の氏名と連絡先(これらの候補者は、当セン ターが認定したすべての紛争処理機関によるパネリストの 名簿から選出されなければならない) (v) 紛争処理機関が第2条(a)に定める申立書の送付を行うのに 必要とされる、登録者またはその代理人への連絡手段につ いて、申立人がこのJPドメイン名紛争処理手続開始前の交 渉で知り得た連絡先情報を含め、申立人が知る登録者の氏 名、事務所等の名称、および関係するすべての情報(郵送 先住所、電子メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番 号を含む) (vi) このJPドメイン名紛争処理手続の対象となるドメイン名 (複数でも可) (vii) 申立書が提出された時点において、そのドメイン名が当セ ンターに登録されていることの記載 (viii) 申立の根拠となる商標その他表示、および、それが現実に 使用されているときにはその使用されている商品・役務の 種類と内容(申立人は、申立書提出時に、将来その標章を 使用する意図がある他の商品・役務があれば、その旨を別 に記述することができる) (ix) 以下に示す三項目を明確にした申立の根拠・理由 (1) 申立の対象となっているドメイン名が、申立人が権利 または正当な利益を有する商標その他表示と同一また は混同を引き起こすほど類似していること (2) 登録者が、当該ドメイン名の登録についての権利また は正当な利益を有していないと考えられる理由 (3) 登録者の当該ドメイン名が、不正の目的で登録または 使用されていること (上記(2)、(3)については、処理方針の第4条b項、c項 に指摘されている点について言及しなければならない。 また、紛争処理機関が定めた補則に規定されている字数 または頁数制限に従わなければならない) (x) 処理方針および本規則に従って求める救済 (xi) 申立の対象となっているドメイン名について、これまでに 開始された、または終結した法的手続 (xii) ドメイン名の取消または移転の裁定に対し、登録者が不服 のときに提訴できる少なくとも一つの合意裁判管轄地 (xiii) 次の結語および申立人またはその権限ある代理人の署名ま たは記名捺印 (1) 「申立人は、ドメイン名の登録に関する請求もしくは 救済、紛争または紛争処理について、登録者のみを 相手とするものであり、故意による不法行為を除き、 (a)紛争処理機関およびパネリスト、(b)当センター、 および(c)当センターの役員、職員、委員その他の すべての関係者に対する一切の請求または救済を放 棄することに同意する。」 (2) 「申立人は、この申立書に記載されている情報は、申 立人が知りうる限りにおいて、完全かつ正確なもの であり、この申立が嫌がらせなどの不当な目的のた めになされているものではないことを保証する。」 (xiv) 申立の対象となっているドメイン名に適用される処理方針 の写し、および申立人が依拠している商標登録を含む証拠 書類または他のすべての証拠、およびそれらの証拠の一覧 と説明書。 (xv) 代理人がこの手続を行う場合は、委任状(代理権の存在を 証明する書類) (c) 二つ以上のドメイン名が同一の登録者によって登録されている場合に は、それら複数のドメイン名についての申立を、一つの申立によって 行うことができる。 第4条 申立書の送付 (a) 紛争処理機関は、申立書が処理方針と本規則に適合しているかどうか を確認し、不備がなければ、申立人が支払う第19条に定める料金の受 領後3日(営業日)以内に、第2条(a)の定めるところに従い、紛争 処理機関がその補則で定める説明入りの表書とともに申立書を登録者 に送付する。 (b) 紛争処理機関が申立書に不備があることを発見したときには、その不 備の内容を申立人に速やかに通知する。申立人は、その通知受領後5 日(営業日)以内にその不備を補正できる。この期間内に何らの補正 もなされなかった場合には、当該申立は取り下げたものとみなされる。 ただし、当該申立を取り下げたとみなされるような場合であっても、 申立人は新しい申立書を提出することができる。 (c) 手続開始日は、紛争処理機関が、第2条(a)により申立書を登録者に 送付した日とする。 (d) 紛争処理機関は、申立の対象となっているドメイン名とその手続開始 日を、申立人、登録者、および当センターに直ちに通知しなければな らない。 第5条 答弁書 (a) 登録者は、手続開始日から20日(営業日)以内に、答弁書を紛争処理 機関に提出しなければならない。 (b) 答弁書には、以下の事項が記載されるものとし、関係書類を添付した 文書および電子メール(電子メールに添付できない関係書類は除く) の両方によって提出されなければならない。 (i) 申立書の陳述・主張内容に答弁・反論し、問題とされてい るドメイン名の登録を登録者が保有できることについての すべての理由・根拠(答弁書のこの部分は、紛争処理機関 が定めた補則に規定されている字数または頁数制限に従う こと) (ii) 登録者およびこのJPドメイン名紛争処理手続において登録 者に代って手続を行う権限がある代理人の氏名、事務所等 の名称、郵送先住所、電子メールアドレス、電話番号およ びファクシミリ番号 (iii) このJPドメイン名紛争処理手続における登録者への希望連 絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所および電子メール アドレスを含む)を、(A)電子メール送付による場合、お よび(B)郵送による場合、のそれぞれについて (iv) 申立人が申立書においてパネリスト一名の構成によるパネ ルを選択(第3条(c)(vii)参照)している場合には、登録 者が三名構成のパネルの選択を希望することの有無 (v) 申立人または登録者のいずれかによりパネリスト三名で構 成されるパネルが選択される場合には、パネリスト三名の うちの一名を指名するための候補者三名の氏名と連絡先 (これらの候補者は当センターが認定したすべての紛争処 理機関のパネリストの名簿から選出されなければならない) (vi) 申立の対象となっているドメイン名について、これまでに 開始された、または終結した法的手続 (vii) 次の結語および登録者またはその権限ある代理人の署名ま たは記名捺印 「登録者は、この答弁書に記載されている情報は、登録者 が知りうる限りにおいて、完全かつ正確なものであり、 この答弁が嫌がらせなどの不当な目的のためになされて いるものではないことを保証する。」 (viii) 登録者が依拠している証拠書類または他のすべての証拠、 およびそれらの証拠の一覧と説明書。 (ix) 代理人がこの手続を行う場合は、委任状(代理権の存在を 証明する書類) (c) 申立人がパネリスト一名による構成のパネルを選択したが、登録者が パネリスト三名による構成のパネルを選択希望する場合には、登録者 は紛争処理機関が定めた補則に規定されている三名構成パネルの料金 の半額を負担しなければならない。この料金の支払は、紛争処理機関 への答弁書の提出と同時になされなければならない。この料金の支払 がないときには、一名構成のパネルで審理されるものとする。 (d) 登録者の上申があれば、紛争処理機関は、例外的な事件に限って、そ の答弁書の提出期限を延長することができる。また、提出期限は、両 当事者の書面による合意があれば、それを紛争処理機関が認める限り において、延長することができる。 (e) 紛争処理機関は、答弁書を受領したならば、直ちに申立人にその答弁 書を送付しなければならない。 (f) もし登録者が答弁書を提出しないときには、例外的な事情がない限り、 パネルは申立書に基づいて裁定を下すものとする。 第6条 パネルの指名と裁定日 (a) 各紛争処理機関は、パネリスト候補とその資格の一覧を作成し公表す る。 (b) 両当事者のいずれもが三名構成のパネルを選択しなかった場合(第3 条(b)(iv)および第5条(b)(v)を参照)には、紛争処理機関は、答弁 書を受領した日または答弁書提出期限満了日から5日(営業日)以内 に、そのパネリストの名簿から一名のパネリストを指名しなければな らない。一名構成のパネルの料金は、申立人がその全額を負担する。 (c) 両当事者のいずれかが三名構成のパネルを選択した場合には、紛争処 理機関は本条(e)に従って三名のパネリストを指名する。三名構成の パネルの料金は、登録者が三名構成のパネルを選択したときに限り両 当事者が折半して均等に負担する場合を除き、申立人がその全額を負 担する。 (d) 申立人が三名構成のパネルを選択せず、登録者が三名構成のパネルを 選択したときには、申立人に答弁書の送付があってから5日(営業日) 以内に、申立人はパネリスト三名のうちの一名を指名するための候補 者三名の氏名と連絡先を、紛争処理機関に通知しなければならない。 申立人は、これらの候補者を、当センターが認定したすべての紛争処 理機関のパネリストの名簿から選出しなければならない。 (e) いずれかの当事者がパネリスト三名構成のパネルを選択したときには、 紛争処理機関は両当事者が提出した各候補者名簿から各一名のパネリ ストを指名するよう努力しなければならない。当事者が提出した候補 者名簿から、通常の要件に従って、5日(営業日)以内に指名できな いときには、紛争処理機関が自ら維持・管理しているパネリスト名簿 から指名しなければならない。三番目のパネリストは、紛争処理機関 が両当事者に提示した5名の候補者の中から、その提示から5日(営 業日)以内に両当事者が示した意向を踏まえ、合理的なバランスを考 慮した上で、紛争処理機関により指名されなければならない。 (f) 例外的な事情がある場合を除き、紛争処理機関は、パネル全体の指名 後、両当事者および当センターに対して、指名されたパネリストおよ びそのパネルが裁定を下す予定日を通知しなければならない。 第7条 公平性と独立性 パネリストは公平、独立でなければならず、その指名を受ける前に、その公平 性と独立性について何らかの疑念を生ぜしめる事由がある場合には、紛争処理 機関に対しその事由を開示しなければならない。手続中に疑念を生じさせるよ うな新たな事情が発生したときも、直ちに紛争処理機関に対し開示しなければ ならない。これらの場合、紛争処理機関は代わりのパネリストを指名すること ができる。 第8条 当事者とパネル間の連絡 当事者およびその代理人は、パネルと一方的な連絡を取ってはならない。当事 者とパネルとのすべての連絡は、紛争処理機関が定めた補則に規定されている 方法に従って紛争処理機関の事務局または事務担当者を通じて、なされなけれ ばならない。 第9条 一件書類のパネルへの移送 紛争処理機関は、パネルの指名終了後(三名構成のパネルのときは、最後のパ ネリストの指名終了後)直ちに、一件書類をパネルに送付する。 第10条 パネルの権限 (a) パネルは、処理方針と本規則に従って、適正と思われる方法で手続を 実施しなければならない。 (b) すべての事件において、両当事者が平等に扱われ、各当事者のそれぞ れの立場を表明する機会が公平に与えられるよう、パネルは努力しな ければならない。 (c) パネルは、JPドメイン名紛争処理手続を迅速に行わなければならない。 ただし、特段の事情がある例外的な事件に限り、当事者の要請または パネル自身の決定により、本規則またはパネルが定めた期間を延長す ることができる。 (d) パネルは、証拠の証拠能力、関連性、証明力を決定しなければならな い。 (e) パネルは、処理方針および本規則に従って、複数のドメイン名紛争の 併合審理を求める当事者からの申立の許否を決定しなければならない。 第11条 手続言語 (a) 手続言語は日本語とする。ただし、手続実施の状況を踏まえて、パネ ルが別段の決定をする場合には、この限りではない。 (b) パネルは、手続言語以外で提出された書類について、その全部または 一部について手続言語への翻訳の提出を求めることができる。 第12条 陳述・書類の追加 パネルはその裁量により、いずれの当事者に対しても、申立書および答弁書以 外に、陳述・書類の追加を求めることができる。 第13条 当事者に対する審問 電話、ビデオおよびウェブ上での会議を含めて、当事者に対する審問を行わな いものとする。ただし、特段の事情のある例外的な場合に限り、パネルの決定 により、裁定を下すに必要な限度で、かかる審問を行うことができる。 第14条 義務の不履行 (a) 例外的な事情がある場合を除き、いずれかの当事者が本規則またはパ ネルが定めた期限を遵守しない場合が生じたとしても、パネルはその 申立について裁定を下さなければならない。 (b) 例外的な事情がある場合を除き、いずれかの当事者が本規則の規定も しくは要件またはパネルの要請を履行しないとしても、パネルは適切 と思われる判断を下さなければならない。 第15条 パネルの裁定 (a) パネルは、提出された陳述・文書および審問の結果に基づき、処理方 針、本規則および適用されうる関係法規の規定・原則、ならびに条理 に従って、裁定を下さなければならない。 (b) 例外的な事情がある場合を除き、パネルは第6条による指名があった 日から14日(営業日)以内に、申立に対する裁定を紛争処理機関に通 知しなければならない。 (c) パネリスト三名で構成されるパネルのときは、その裁定は、多数決に より下されなければならない。 (d) パネルの裁定は、書面によるものとし、その裁定の内容、理由を述べ るとともに、裁定日とパネリストの氏名を記載し、パネリストの署名 または記名捺印をするものとする。 (e) 裁定および反対意見は、紛争処理機関が定めた補則に規定されている 字数制限に従ったものでなければならない。すべての反対意見は、多 数決によるパネルの裁定に付記されなければならない。パネルは、そ の紛争内容が処理方針の第4条a項の範囲を逸脱しているものである との結論に達したときには、その旨を記載しなければならない。もし、 申立内容が、処理方針を不正の目的で利用して登録者からそのドメイ ン名を奪いとろうとする行為や、登録者に対する嫌がらせ行為に該当 するようなものであると認められたときには、パネルはその裁定にお いて、不正の目的による申立であり、このJPドメイン名紛争処理手続 の濫用に該当するものである、との判断を示さなければなければなら ない。 第16条 当事者への裁定の通知 (a) 紛争処理機関は、パネルからの裁定受領後3日(営業日)以内に、そ の裁定の全文を両当事者および当センターに通知しなければならない。 当センターは、両当事者および紛争処理機関に対して、処理方針に基 づく裁定結果の実施日(裁定の通知から11日以降15日以内の日(当セ ンターの主たる事務所所在地の営業日で計算))を直ちに連絡しなけ ればならない。 (b) パネルによる別段の定めがある場合(処理方針第4条j項を参照)を 除き、紛争処理機関は裁定の全文と裁定結果の実施日をウェブサイト にて公表する。いかなる場合であっても、申立が不正の目的によるも のである(第15条(e)を参照)との裁定が下されたときには、その裁 定部分は公表されなければならない。 第17条 取下げ、和解その他の理由による手続の終結 (a) 申立人は、パネルの裁定が下されるまでの間、申立を取り下げること ができる。ただし登録者が答弁書を提出した後にあっては、その同意 を得なければならない。 (b) 前項により申立が取り下げられたとき、または、両当事者がパネルの 裁定前に和解するとの合意に至ったときには、パネルはその手続を終 了しなければならない。 (c) パネルの裁定前に何らかの理由でその手続の続行が不必要または不可 能になったときには、パネルは、パネル自身が定めた期間内に、いず れかの当事者からそれに反対する正当な異議理由の提出がなければ、 その手続を終了する。 第18条 裁判所における手続の効果 (a) JPドメイン名紛争処理手続開始前または係属中に、申立の対象となっ ているドメイン名紛争について裁判所における手続が開始された場合 には、パネルはその裁量により、そのJPドメイン名紛争処理手続の中 断もしくは終了または続行のいずれかを選択しなければならない。 (b) JPドメイン名紛争処理手続の係属中に、いずれかの当事者が申立の対 象となっているドメイン名紛争について裁判所における手続を開始し た場合には、当事者は速やかに紛争処理機関と、第8条に規定する方 法でパネルにその旨を通知しなければならない。 第19条 料金 (a) 申立人は、紛争処理機関が定めた補則に従い、料金を期限内に紛争処 理機関に支払わなければならない。申立人がパネリスト一名の構成に よるパネルを選択し、登録者が第5条(b)(iv)の規定によってパネリ スト三名の構成によるパネルを選択したときには、登録者は、パネリ スト三名構成のパネルにかかる料金の半額を紛争処理機関に支払わな ければならない(第5条(c)を参照)。これ以外は、本条(d)に規定さ れている場合を除き、申立人が紛争処理機関の料金のすべてを負担し なければならない。パネルの指名後、紛争処理機関は補則に従い、必 要があれば、申立人に対して追加料金を請求し、または料金の一部を 返金しなければならない。 (b) 申立人から前項に定める料金の支払があるまでは、紛争処理機関は申 立について一切の手続を進めてはならない。 (c) 紛争処理機関が申立書を受領した後10日(営業日)以内に紛争処理機 関に対して料金の支払がない場合には、その申立は取り下げられたも のとみなされ、その手続は終了する。 (d) 当事者に対する審問のような例外的な事情が発生した場合には、紛争 処理機関は、両当事者とパネルの合意に基づき、それに要した追加料 金を請求することができる。 (e) 移転の裁定を受けた申立人は、当該ドメイン名の移転登録に当たって 登録規則に定める所定の登録料を支払うものとする。 第20条 免責 故意による不法行為を除き、紛争処理機関およびパネリストは、本規則に基づ くすべての手続に関係するいかなる作為・不作為についても、両当事者への責 任を一切負わない。 第21条 改訂 当センターは、いつでも本規則を改訂する権利を留保する。当センターは、そ の改訂された本規則を当センターのウェブサイトにおいて、発効する少なくと も30日(暦日)前に公開するものとする。申立書が紛争処理機関に提出された 時に有効である本規則が、そのJPドメイン名紛争処理手続に適用されるものと する。